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事例Example

待遇についての説明義務Example

待遇についての説明義務(パートタイム・有期雇用労働法第14条第2項)

2021年4月からは中小企業にもパートタイム・有期雇用労働法が適用され、同一労働同一賃金の観点による待遇についての説明義務が課されています。説明義務には ①「雇入れ時の説明義務」と ②「求めがあった時の説明義務」があり、これを怠った場合には、罰則の適用はありませんが、同法に紛争の解決(第4章)が設けられ、労働者が納得できない場合には、労働局による調停など裁判外紛争解決手続きが手軽に利用できるようになっています。
2020年10月の最高裁判決(郵便配達員の手当、地下鉄販売員の退職金等)で話題になりましたが、正規社員と非正規社員間の待遇差についての説明(上記②の説明)が求められた際には、会社として統一のとれた口頭での説明根拠を準備しておくことが重要です。

説明根拠の手元資料の例をご紹介します。

待遇 退職金 性質 基本給の一部(賃金の後払い)功労報償
制度の内容
  1. (1)基本額 毎年4月1日現在の資格及び当該年度の昇給考課による成果ポイント累計による (退3条)
  2. (2)DC/前払い 資格に応じた定額定額 (退4条)
  3. (3)勤続別定額 勤続10年以降の勤続年数による定額 企業年金基金で一部補填 (退5条)
制度の目的 中核人材の獲得(新卒採用および中途採用)と長期確保
責任の程度、配置転換の可能性を背景とした、継続的な勤務等に対する功労報償
待遇差 契約社員 パートタイマー
支給なし 支給なし
合理性 制度の内容(1)~(3)について
①職務の内容及び配置の変更の範囲に違いがあるため
②正社員採用試験があり、①に応じた適性を判断したうえで採用している
正社員転換制度がある(就業規則12条)
年1回の募集
勤続6か月で正社員採用試験の受験資格
契約社員への転換制度がある(パート規則10条)
年1回の募集
面接試験